ご遺骨を納める納骨堂には、様々なタイプがあります。
それぞれ仕組みは異なるのですが、中でも都心に住む方を中心に需要が高まっているのが自動搬送式の納骨堂です。
今回は、自動搬送式の納骨堂とは一体どのようなものなのか詳しく解説していきます。
自動搬送式納骨堂とは？
自動搬送式納骨堂とは文字通り、参拝スペースまでご遺骨が自動で運ばれるシステムの納骨堂です。ご遺骨が納められている場所まで、足を運ぶ必要がありません。
納骨堂のタイプは、大きく分けて4つあります。仏壇型納骨堂、墓石型納骨堂、ロッカー式納骨堂といったタイプの納骨堂がありますが、機械でご遺骨が運ばれるのは自動搬送式納骨堂のみです。
自動搬送式納骨堂は、他にも「ビル型」「マンション型」「カード式」といった呼び方をします。
納骨堂には葬儀や法要等に対応できるように、法要施設や会食施設を備えている施設が多いでしょう。施設内でお参りだけではなく、納骨や法要、会食ができるのは便利なことです。
自動搬送式納骨堂での参拝の方法と流れ
自動搬送式納骨堂は、コンピュータで管理されています。専用のカードをパネルにかざしたり、タッチパネルを操作したりすることで参拝スペースまで厨子（ずし）が運ばれ、扉が開きます。厨子（ずし）とは、ご遺骨が納められている箱のことです。
お参りした後に扉を閉めると、厨子が元の場所に戻ります。これで参拝は終わりです。
自動搬送式納骨堂のメリット
では、自動搬送式納骨堂にはどのようなメリットがあるのでしょうか。5つのメリットをここでは紹介します。
永代供養してくれる
一般墓ですと、ご遺骨の継承者がいない場合、無縁墓になる可能性があります。それに対して、自動搬送式納骨堂の多くは寺院などが永代供養してくれます。定められた時期が過ぎると、ご遺骨は合祀墓に移動されるのが一般的です。
永代供養をしてくれる納骨堂は、特にお墓の継承者がいない方に選ばれています。
アクセスが良い
自動搬送式納骨堂は、アクセスの良い場所に建てられていることが多いでしょう。参拝スペースを作ることによって、一つの空間にいくつものご遺骨を納めることができるので都市部にも建てられています。駅から近い場所なら、買い物帰りや仕事帰り等にも気軽に参拝することができます。
天候に左右されない
ご遺骨は施設内に納められているので、天候や季節に左右されません。自動搬送式納骨堂であれば、いつでも快適にお墓参りをすることができるのです。
手ぶらで参拝できる
自動搬送式納骨堂は、手ぶらで参拝できるというメリットがあります。一般的にお墓参りする際は、線香やお花、掃除用具などを用意するものです。
ですが納骨堂の中には、お花や線香が用意されていることが多いでしょう。何も用意することなくお参りができるとなると、より気軽にお墓参りができます。
掃除や管理が不要
掃除や管理が不要という点も、自動搬送式納骨堂のメリットと言えるでしょう。納骨堂は一般墓と違い、施設内のスタッフが掃除やご遺骨の管理をしてくれます。定期的にお墓の管理をする必要はありません。
自動搬送式納骨堂のデメリット
自動搬送式納骨堂には様々なメリットがある反面、デメリットも存在します。今度は、自動搬送式納骨堂の4つのデメリットについてご紹介いたします。
参拝時間が限られている
気軽に参拝できることが自動搬送式納骨堂のメリットですが、施設によって参拝時間が決まっていたり、休館日を設けていることがあります。参拝時間については、事前に確認が必要です。
混み合う可能性がある
自動搬送式納骨堂は参拝スペースでお参りするシステムですが、参拝スペース自体の数はそれほど多くありません。その為、お盆やお彼岸といった季節では混み合う可能性があるのです。ゆっくりとお参りをしたい場合は、時期をずらすことが必要になるかもしれません。
建物の老朽化
自動搬送式納骨堂のデメリットとして、建物の老朽化という問題があります。不安を解消させる為にも、耐用年数や補償については契約前によく確認しましょう。
施設の数が多くない
自動搬送式納骨堂は、都心部に多く建てられています。その為、全国的に見るとそれほど施設の数が多くないのが現状です。時代が変わり、生活も変化していくなか、お墓参りに対する考え方も変わりつつあります。このことから、今後は自動搬送式納骨堂の需要が全国的に高まるかもしれません。
自動搬送式納骨堂の費用相場
自動搬送式納骨堂の費用相場は、50万円～200万円となります。契約時に永代使用料として支払います。
永代使用料の内訳は下記の通りです。
・厨子
・骨壺代
・銘板（家名等を彫り込んだもの）
永代使用料の中に、永代供養料が含まれるケースもあります。また納骨堂は１人分だけではなく、家族のご遺骨も一緒に納めることができます。その為、ご遺骨の数によっても費用が変動するのです。
契約後は年間管理料として、1万円～2万円程度費用がかかります。自動搬送式納骨堂は、墓石を建てる必要がある一般墓よりも費用を抑えることができます。
ただし年間管理料に注目すると、一般墓は年間1万円程度に対し、自動搬送式納骨堂の方が施設の管理費の関係で高めに設定されています。