終活と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
「まだ早い、死ぬときのことなんて縁起が悪い、面倒そう。」
どちらかというとネガティブな要素が強そうです。

はたして、終活は本当に暗い作業でしょうか。
終活は死支度ではありません。安心で前向きな毎日を送るための備えです。

終活を正しく知って、日々の暮らしに役立てませんか。

終活とはどんなこと?

終活とはどんなこと?

終活とは、人生の終わりのための活動として知られています。この言葉は、2012年に流行語大賞にノミネートされています。初めて終活がメディアに登場したのが2009年と言われていますから、わずか3年で広く社会に認知されることになったと言えます。

こうした状況の背景には大きな社会の変化があげられます。少子高齢化、核家族化、都会への人口流出、平均寿命の伸び、地域コミュニケーションの不足と数え上げてもきりがありません。子どもとの同居世帯の減少、未婚や非婚も珍しくなくなりました。統計によると、2060年には65歳以上の高齢者が人口の40%を占めると言われています。

こうなると、既婚、未婚、子どもの有無に拘わらず、誰でも最期はおひとり様になる可能性があるということになります。最近はシニアやミドル世代だけではなく、若い方の中にも終活に関心を持つ方が増えています。

終活は大きく6つのジャンルに分けることができ、医療、介護、保険、相続、葬儀、お墓となります。この他にも、ペット終活やデジタル終活、遺言書、エンディングノートなど多岐にわたります。もちろん、不要な分野がある場合もあります。

まず、必要な分野から考えていくと終活のハードルが下がるかもしれません。

未来の予測は誰にもつきません。私の将来はどうなるのだろうと不安に感じて暮らすより、できることをできる範囲で準備して、楽しく毎日を過ごしましょう。

終活をする理由は?

終活をする理由は?

終活を大人のたしなみと捉える人もいます。

人は一人で生きているわけではなく、一人で死ねるわけでもありません。それは、おひとり様でも家族があっても同様です。

いよいよ自分が最後の時を迎えた時、残された人が困ることはありませんか?銀行口座のパスワード、実印の保管場所、諸々の生活関係の引き落とし、菩提寺がある場合は菩提寺とのおつきあい、大事にしていたコレクション。

おひとり様でペットがいたらどうでしょう。残された人が家族であれ代理人であれ、その方々が困らない情報を整理しておくことは必要です。

また、残された人が葬儀に関しての故人の希望を知らず、どこの誰に知らせたものかと悩んだ話も耳にします。もし、希望があるのであれば、そうしたことも伝えておきたいものです。

改めて考えてみると、終活は確かに大人のたしなみといえそうです。あるいは思いやりマナーでしょうか。

こうしたことは、終活の中でも基本中の基本ですが、これだけでも少し肩の荷を下ろした気分になりませんか。

終活をすることが、自分の生き方を見直すきっかけになり生き生きと毎日を過ごせたら、それが終活をする本当の理由となるのではないでしょうか。

終活のメリットを知り、納得いく終活をしよう

終活のメリットを知り、納得いく終活をしよう

終活の最大のメリットは、自分自身の安心と満足度です。必要なことを残された人に伝えておけば、その情報をもとに、残された人が何とかしてくれるだろうと考えることができます。とりあえずでも、あれは大丈夫か、ここは心配と悩むことは少なくなるはずです。残された人に無駄な手間をかけさせるのでは?といった心苦しさも半減します。

もう一つのメリットは、残された人が争いを起こさずに済むことです。相続は、一歩間違うと争続になりかねません。故人の遺志を明確に示すことで避けられる争いは少なくありません。

他にも、終活片付けですっきりした、家族と話し合うことで理解が深まったと様々なメリットの報告がなされています。

確かに、終活は難しい手続きに関わることも多く、広範囲なので面倒な気がします。しかし、最初からすべてを完璧にやる必要はありません。

終活を正しく知り、納得したうえで、自分に必要なところをできる範囲で…でも充分です。エンディングノートが負担ならエンディングシートでもいいのですから。

まずは、小さな一歩です。