近年、ご自身や故人の没後について考える際に、お墓を持たない供養方法を検討する方が増えています。
本記事では、お墓を持たない供養方法の1つである散骨とは何か、どのような種類があるのか、それぞれの供養方法やメリット・デメリットについて説明します。
散骨とは?
散骨とは、ご遺骨を火葬し粉状にして、その遺灰を山や海などの自然に捲くことです。墓石などの人工物のない場所へ埋葬し、自然に還ることができるので自然葬とも呼ばれます。
散骨をするタイミング
散骨は、故人が生前に希望することで、親族等によってしてもらうことができます。散骨のタイミングは特に定められませんが、四十九回忌の法要後に行われることが多いです。
ご遺灰を全て散骨する必要はなく、故人を近くに感じたい方は一部のご遺灰を骨壷などに入れて手元供養することもできます。もちろん、全てを散骨することも可能です。
散骨は違法ではない
散骨は、節度を守って行う分には違法ではありません。環境に配慮した場所・方法でマナーを守って行うようにしましょう。
例えば、海に散骨する場合には水溶性の骨袋を利用したり、山に散骨する場合には供養に適した人通りの少ない場所に散骨するといったことです。散骨の専門施設や団体に依頼して行うことがおすすめです。
散骨の方法は3つ
散骨には、海・山・宇宙の3つの方法があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを消化します。
海洋散骨
海洋散骨とは、ご遺灰を海に撒くことです。海といっても生活圏などに近いところではなく沖から離れた場所に散骨するのが一般的です。散骨後には献酒をして故人を送ります。
山林散骨
山林散骨とは、山や森へご遺灰を散骨する方法です。山登りやハイキングなどが好きな人に注目されています。周囲に迷惑がかからない場所を選ぶのはもちろんですが、山には必ず所有者がいますので許可を得なければ散骨することはできません。
宇宙葬
宇宙葬には、ご遺灰の一部をバルーンに入れて空に飛ばす方法や、専用カプセルに入れてロケットで打ち上げる方法があります。宇宙葬の場合散骨できるのは一部なので、空に飛ばせなかったご遺灰は別途供養が必要です。
散骨をするメリット
散骨は従来のお墓と全く違う供養方法ですが、メリットが多くあります。
自然に還ることができる
散骨で海や山などに撒かれると、自然の一部となっていきます。自然や海や山などが好きな方にとっては適した供養方法でしょう。
宗教不問で、どなたでも散骨できる
散骨を行う方も、散骨をされる個人も、宗教不問で散骨することが可能です。
お墓の費用がかからない
従来のようにお墓での供養方法は、墓石代や土地代など、様々な費用がかかります。しかし、散骨はご遺灰を捲くための手数料や交通費用はかかりますが、従来のお墓に入るよりも安価に供養することが可能です。
また、お墓を持たないためにお墓の継承の必要性もありません。
人間だけでなくペットも可能
ペットも家族の一員です。ペットも自然に還してあげたい、お気に入りの場所に眠らせたい、という方は散骨をすることができます。
散骨をするデメリット
散骨は従来のお墓への埋葬に比較して、安い費用でできる供養方法です。しかし、散骨は良い点だけでなく、デメリットがいくつかあります。
お墓参りができない
散骨では海や山に撒きますが、海であればどのようにお参りをしたらいいか曖昧であるという問題があります。お墓であれば特定の区画に故人が眠っていることが分かりますが、海や山では撒いたご遺灰はどこに行くのかが分かりません。
供養する際に具体的な場所や物が欲しいという方にとっては、散骨はお勧めできない供養方法です。しかし、ご遺灰の一部を手元供養することも可能です。
返骨できない
散骨は粉状のご遺灰を捲くことなので、一度自然に撒いてしまうと拾うことは不可能です。そのため、身近に故人のご遺灰を残したいという方は、全てのご遺灰を散骨せずに一部を事前に手元供養しましょう。
同意が得られないことがある
上記で述べたようなお墓参りができないということや、ご遺灰が戻ってこないこと、散骨に抵抗を感じるということから、ご遺族からの同意が得られないことがあります。
自然への散骨を希望する方は、生前のうちに意志をご家族に伝え、理解を得ることが重要です。
散骨はお墓がいらない方、自然に還りたい方におすすめ
散骨の特徴や種類、メリット・デメリットについて紹介しました。散骨は、お墓に費用をかけたくない方や、身寄りのない方、人間本来の自然に還たい方にはおすすめの供養方法です。
ですが、一度全て散骨してしまうとご遺灰は手元に戻ってくることがありません。そのため、散骨をする際には慎重に考え、ご家族とよく話し合った上で決定しましょう。
また、散骨のようにお墓を持たない供養方法として「永代供養」があります。永代供養のお墓は、通常のお墓よりも費用が安く、返骨が可能な種類のお墓もあります。
散骨に抵抗を感じる方は、永代供養墓も検討してみてください。

