「墓じまいをしたいけれど、費用が高くて払えない」「まとまったお金が用意できない」といった方は多くいるのではないでしょうか?

墓じまいには、一般的にはお墓の土地1.0㎡に対して約10万円がかかります。多くのお墓では、墓石を撤去して更地にするのに20〜30万円がかかり、その他にご遺骨の新しい供養のための費用、墓じまいの手続き関連でかかる費用などがかかることになります。

このお金を準備するのが難しいという方のために、本記事では墓じまいを安く抑える方法を4つ紹介します。

墓じまいにかかる費用相場

墓じまいにかかる費用相場

墓じまいにかかる費用相場は、30万円~200万円と言われています。

費用の内訳は次の通りです。

1.各自治体の手続きに関する費用
2.閉眼供養
3.墓石の撤去
4.離檀料
5.墓じまい後の供養方法による費用

それぞれ詳しく解説していきます。

各自治体の手続きに関する費用

墓じまいをする場合は、各自治体で手続きをする必要があります。その時に手数料として、数百円から数千円程度発生します。

閉眼供養

閉眼供養は魂抜きとも言われ、僧侶に読経してもらうことで魂が宿るとされるお墓を単なる墓石に戻す儀式のことです。僧侶へお渡しするお布施の相場は、3万円~10万円と言われています。

お布施は気持ちでお渡しするものです。地域や宗派によって異なる為、家族や親族、もしくは寺院に直接確認してみるといいでしょう。

僧侶にお墓まで来ていただいた場合は、お布施の他にお車代として5千円~1万円程度お渡しするのが一般的です。

墓石の撤去費用

費用相場は、1㎡あたり約10万円です。多くの場合、撤去費用は20万円~30万円となります。撤去費用には墓石の撤去だけではなく、墓石の処分料も含まれています。

墓石の大きさや墓石が建てられている場所によっても費用が変動します。重機が入れず作業員を増やす必要がある場合は、より費用が高くなるでしょう。

離檀料

離檀料とは、これまでお世話になったお気持ちとして寺院にお渡しするものです。法的に必要な費用ではありませんが、相場はお布施の1~3回分(3万円~20万円程度)だと言われています。

離檀料を受け取らなかったり、金額を一律としていたりと寺院によっても様々です。中には高い離檀料を請求される事例があるので、離檀料については事前に親族や各自治体に相談しましょう。

墓じまい後の供養方法による費用

墓じまい後にどのような供養方法を選択するかによって費用が大きく左右されます。ご遺骨は自ら移動したり、廃棄したりできないと法律で定められている為、新たに管理する方法を探さなければなりません。

墓じまい後の供養方法には一般墓、永代供養墓、納骨堂、合祀墓、手元供養等があります。永代供養の相場は10万円~100万程度に対し、一般墓は新たにお墓を建てる必要があるので100万円~300万程度かかります。

このように供養方法によって金額が異なる為、じっくり検討する必要があります

墓じまいの費用を抑える4つの方法

ここからは、墓じまいの費用を抑える為の4つの方法をご紹介します。

複数の業者から見積書をとる

墓じまいを依頼する際には、複数の業者から見積書をとって費用や内容を比較検討しましょう。適正な価格なのかを判断する為です。指定の石材店がある場合も、見積書をもらうようにしましょう。

ただし、あまりにも費用が安すぎる場合も注意が必要です。撤去する際、他のお墓を倒して修繕費用を請求されたり、不法投棄されたりといったトラブルが発生したケースがあるからです。

見積金額が相場とかけ離れている場合は、安易に依頼するべきではありません。

費用を抑えられる供養先を選ぶ

墓じまい後には、手元供養や他の一般墓への改装、納骨堂、永代供養墓などさまざまな選択肢があります。新しい供養先を選ぶ際は、費用に注目しましょう。

一般墓よりも永代供養(合祀墓)や納骨堂、手元供養等を選ぶことにより、比較的費用を抑えられるので、検討してみてはいかがでしょうか。

手元供養であればアクセサリーや骨壷、自宅墓などの種類がありますが、約5000円〜5万円ほどになります。永代供養墓であれば、合祀型なら約3万〜20万円、個別型なら約20万〜120万円ほどの相場です。

家族や親族に協力してもらう

金銭的な負担を軽減させる為に、墓じまいに関わる費用について家族や親族に相談しましょう。墓じまいはお墓の所有権を持つ方(祭祀承継者)が行うことができます。原則として費用も負担しなければならないのですが、お墓は家族や親族で守っていくものです。

無縁墓になることは、家族や親族にとっても喜ばしいことではないでしょう。費用面に関して一人で悩むことはありません。墓じまいについて考え始めたら、費用面を含めて家族や親族に協力してもらいましょう。

自治体による補助金制度を利用する

いくつかの自治体では、墓じまいにかかる費用の全額や一部を補填してくれる制度が設けられています。また、補助金の他にも施設変更に当たって合葬してもらえる制度や、使用墓地返還の際に還付金がもらえる制度などもあります。

各制度については、以下の記事をご参考ください。